2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

大乗仏教と平等という概念について

奈良時代の仏教は鎮護国家を目標としていたが、やがて政治と深い関係を持つようになった。その結果、桓武天皇は平城京を捨て都を移している。 平安時代になると仏教の再興を目指して最澄や空海が登場する。 最澄は唐に渡って学んだあと、日本で大乗仏教の戒…

日本と仏教受容

日本に仏教が伝来したのはいつだろうか。確定した年代はないとされている。ともかく、6世紀ごろ、仏教は朝鮮半島の百済から来た渡来人によってもたらされた。 伝来初期、新しい宗教思想を取り入れるかどうかで崇仏派の蘇我氏と排仏派の物延氏が対立した。蘇…

アマルティア・センの講演

アマルティア・セン(1935-)はインド生まれの経済学者として知られている。 彼は不平等をめぐる議論において、単なるモノ=財の分配が問題なのではなく、財を用いて自身が望むことを達成できる能力=ケイパビリティ(潜在能力)こそが問題であると主張した…